【式根島1週間遠征記】春先の低水温に苦戦…それでも本石鯛44cmと尾長グレの影に魅せられて

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春の式根島に1週間、フカセ釣り中心の遠征に行ってきました。

正直かなり渋かったです。季節外れの低水温で島中の釣り人がボウズか苦しい釣果に喘ぐ中、巨大魚を2度バラし、最終日にようやく44cmの本石鯛をキャッチ。釣果だけ見ればパッとしませんが、夢のある当たりが何度も出た、忘れられない1週間になりました。

2026年3月18日〜3月25日、丸1週間の式根島遠征記をまとめます。船での天候不順、深棚作戦、最後にやってきたドラマまで、書き残しておきます。

釣行概要

項目内容
釣行日2026年3月18日(火)〜3月25日(火)
釣り場式根島・野伏港ほか
釣り方フカセ釣り(一部カゴ釣り)
主な釣果本石鯛44cm(約2kg)、イサキ30cm、ブダイ、ムロアジ多数
バラし3回
移動手段東海汽船 さるびあ丸(竹芝〜式根島)

出発:天候不順に怯えながらの竹芝

3月18日22時、東京竹芝桟橋。乗船するのはいつものさるびあ丸。

ただ、今回は同行者含めて足取りがどんよりしていました。理由は天候。翌日到着時の野伏港の予報が、雨9mm・平均風速12m・最大風速23mという絶望的な数値。

↑皆様御用達のwindy。 平均風速12mくらいならいけそうですが、MAX23mは不安になる数値です

条件付きでは出航するものの、ストレートで着岸できる可能性はほぼ無いだろうと覚悟していました。

「これは神津流しかな」「新島からの連絡船も考えなきゃね」と相談しながら乗船。揺れに備えて、早めに就寝することに。

3月19日午前:無事着岸

朝6時、最初の寄港地である大島に着岸。これだけ荒れていても大島は条件付きにすらならない安定感があります。さすが東海汽船航路の中でも最強の港です。

レストランが開いてからは、お茶漬けを食べたり外を眺めたりしながら時間を潰します。利島、新島と荒れた海の中サクサク着岸させていく船長の腕に、徐々に「これ、もしかして式根島も行けるんじゃね?」という空気が船内に漂い始めました。

結局、9時40分には何事もなかったかのように式根島に着岸。あの絶望的な予報は何だったのかというくらいスムーズな上陸でした。

船内で出会った島の方らしきご老人いわく、「最近の若い船長は上手い人が多くて、荒れててもきっちり着けてくれる」とのこと。真偽はわかりませんが、確かに今回は完全にその恩恵を受けました。

風が収まる午後までは、島内を散歩したり荷物を整理したりして過ごします。

3月19日午後:イサキと、目の前で40kgマグロ

12時、午後から釣り開始。半日勝負ですし、まだ風も強めなので、フカセは我慢してカゴ釣りからスタートしました。

投げ始めて数投で反応があり、上がってきたのは30cm程度のイサキです。夕飯の食材としてありがたくキープしました。

ただ、その後が続きません。入れ食いとはほど遠く、1時間に1匹くらいのペースでイサキとムロアジがぽつぽつ。離島の3月にしてはかなり厳しい印象です。

そんな中、堤防先端でとんでもないものが上がりました。キハダマグロ、推定40kg。ムロアジの泳がせ釣りで仕留めたそうです。八丈島や三宅島でも稀に出る伊豆諸島あるあるですが、目の前でこのサイズが上がるのを見るとやはりテンションが上がります。自分には釣れないとわかっていても、夢が膨らむ瞬間でした。

自炊可能な宿に泊まっていたので、初日の夕飯は地魚定食。

イサキの塩焼きと刺身、ムロアジの刺身とフライ。釣果が渋くても美味い飯にありつけるのが、自炊宿の離島遠征のいいところです。

↓ちなみにこの遠征前のベストバイがこれ。民宿での自炊など揚げ物は難しい環境でフライを作れますし、出来も簡単な割にかなりよかったです。

3月20日:異変、そして痛恨のラインブレイク

2日目は朝まずめから気合を入れてフカセ釣りに入ります。が、これがまあ渋い。

潮の変わり目にはムロアジの群れが入ってきますが、それはそれで棚を入れ込む前にムロアジが食ってしまいます。

半誘導でムロアジの棚を突破させると今度は餌すら取られない。際を攻めても、遠投で潮目を流しても、ムロアジ以外は餌取りすら浮いてこない始末です。

秋に来た時はあれだけいたオヤビッチャやイスズミの大群はどこへ行ったのか…。違和感だけが残ります。

夕まずめ。あまりにも餌が取られないので、メジナはほぼ諦めて、普段はあまり使わない3Bの半誘導で竿2本ぶんのべた底、深ダナを狙ってみることにしました。

すると…

ウキがとてつもない勢いで引き摺り込まれます。合わせると竿もものすごいパワーで絞り込まれ……

ギュイーーーン! からの、バチーーーン!

完敗です(笑)。あっという間のラインブレイクでした。完全に油断していて合わせが遅れ、たぶん飲まれていたんでしょう。チモト切れでした。タモを構えてくれた同じ宿の方、本当に申し訳ない…。

ただ、フカセに反応する大物がいることはわかりました。明日以降への気持ちが一気に高まります。

3月21日:尾長グレ?まさかの2連続バラし

3日目の朝は雨予報だったので、休息と洗濯に時間を使い、釣りは昼からスタート。

しかし状況は昨日と同じく激渋。三連休中日でフカセをやっている人が多かったのですが、誰に聞いても「一匹も釣れない」か「ムロアジだけ」という返事。磯に入っている人も全滅で、ムロアジが回ってくる分まだ堤防のほうがマシ、という会話があちこちで交わされていました。

どうやら、この時期としては異例の低水温が続いているようです。魚の活性が完全に上がりきっていません。

黒潮大蛇行が終わってしまったタイミングと無関係ではないのかもしれません。黒潮の恩恵が戻ってくる島もあれば、逆に潮の流れから外れてしまう島もある、ということなのでしょうか。昔の式根島は黒潮と関係なく釣れていたはずですが、潮流の急激な変化はやはり魚に大きく影響するようです。

昨日より早めに見切りをつけて、深ダナ作戦に切り替えます。すると30cm級のブダイをキャッチ。ムロアジしか食べるものがなかった我々にとって、貴重なごはんの材料です。

そして夕まずめ。昨日チャンスがあった時間に、同じ場所で、同じ攻め方で粘ります。

ウキがとてつもない勢いで引き摺り込まれました。合わせると竿が絞り込まれ……

ギュイーーーン!

「強すぎ強すぎ…何これ…」と漏らしながら、しばし糸を出され続ける時間。なんとか腰で溜め、無理に巻きすぎず魚の体力を奪うことに集中します。

状況が渋すぎてハリスは2号まで落としていたので、飲まれていたらそもそも勝ち目はありません。飲まれていない前提で力強く、しかし焦らず慎重に。数分のやり取りでようやく浮かせてくると、水面下にやや白光りする巨体が見えました。

魚体を見る前に「あ、イスズミだろこれ…」と勝手に決めつけてしまい、急に雑なやり取りに切り替わってしまったのが運の尽き(笑)。無理に水面まで浮かせました。

体勢的に自分は水面を直接見られなかったのですが、バシャバシャと魚が浮いた音と感覚。長いやり取りでギャラリーがそこそこ集まっていて、その人たちから声が上がります。

「おぉ!グレだ!」「こりゃでかい!」

え、マジ?

そしてその瞬間、魚が急反転。「あっ、やばい…」一瞬の隙に竿がのされ、まさかのラインブレイク(涙)。

尾長は水面に浮いてから足元でしつこく粘るんですよね……メジナだなんてこれっぽっちも思っていなかったので、完全に油断していました。後悔しかありません。

てかメジナってあんなに引くもんですか…?重量感が40cmサイズのそれとは桁違いすぎて、てっきり青ブダイか化け物サイズのイスズミだと思っていました。

尾長グレだとしたら一体何センチだったのか…考えれば考えるほど悲しくなってくるので、「ノトイスズミをギャラリーの方たちが見間違えたんだ」ということにしました。じゃないとやっていられません(笑)

3月22日:堤防先端でも苦戦、アオリイカは春爆

3月22日、三連休最終日。マグロ狙いの方々が皆さん帰られるようで、ずっと入れずにいた堤防の先端ポイントに入ることができました。

が、渋い(3回目)

潮がいい具合に払い出すタイミングで本流釣りそのものは楽しめたのですが、肝心の魚の反応が出ません。何をやってもダメ。カゴを投げていた同行者にも反応はなく、苦肉の策でムロアジの切り身を胴突きでぶっ込んで、ようやくヒメジ(おじさん)が1匹釣れていた程度でした。

ただ、隣で釣りをしていたエギンガーの方からアオリイカを1杯いただきました。

↑貰ったイカ。これでかなり小さいらしい

聞くところによると、桟橋全体で春のアオリイカが爆釣中とのこと。アベレージで2kgクラスというのがやはり離島のポテンシャルです。

心が折れそうになりながら退散しました。この日の夕飯はブダイとおじさんの鍋。

離島は釣果がイマイチでも温泉に入れて飯も美味いので、それだけで満足できてしまいます(笑)。

3月23日:パターンを掴むも、PE高切れの悲劇

5日目にして、ようやく今回の渋い状況のパターンが見えてきました。といってもメジナは釣れないので、他の魚を拾いつつ楽しむレベルですが…。

ここ数日試した結果、魚の反応が出るのは毎回ほぼ底の深棚です。とはいえ3Bの仕掛けではまずめ以外まったく餌すら触られない。錘の違和感を魚が嫌がっているのでは、と仮説を立てました。

そこで000のウキで全誘導の強制沈め、際を攻めるスタイルに切り替えます。すると毎回何かしら釣れるようになりました(笑)。

↑私の相棒です。ゼロピットシステムにより、糸を切らずに即座にウキを変更できることに加え、潮流の状態や魚の棚に合わせて浮力調整も行える優れもの。

エソ、カサゴ、餌取り、まあそんな感じですが、反応が全くないよりは100倍マシ。

そして昼過ぎ、また特大の当たりが来ます。今度こそ、と力を込めるも、際で擦れたのかPEラインが高切れ。

まさか離島まで来て、遠投の本流釣りではなく際釣り主体になるとは思ってもおらず、PEラインを巻いたスプールしか持ってきていませんでした。本来こういう状況ではナイロンに変えたほうが良かったのですが、選択肢がなかったのです。帰宅後、すぐにナイロン用の予備スプールを買いました。1万円札が泣いた。

3月24日:44cm本石鯛、ドラマは最後にやってくる

明日の帰り支度を考えると、釣りは実質この日が最終日。そしてドラマは最終日にやってくるものです。

釣り方は昨日と同じく際の強制沈めパターン。ただし高切れでウキをロストしてしまったので、0号ウキをDVCの浮力調整で限界まで沈める設定にして、ゆっくり落とし込んでいきます。

午前10時。

スプールからバチバチっと糸が出ていきました。鋭く合わせを入れると、確かな重量感。初速で強く糸を出されたものの、やり取りしてみて「これは取れる」と確信できる引き味でした。

慎重に寄せてくると、水面に浮いてきたのは……イシダイ!

同行者と大慌てでタモ入れ。タモに収まったのは44cm、約2kgの本石鯛でした。

しかもメス個体らしく縞模様も綺麗に残っており、美しくカッコいい魚体。1週間の悔しさが一気に報われた瞬間でした。

イシダイはかなり歯が鋭い魚。針をぎりぎり飲まれており、かなり傷ついていましたがやはり粘り強いブラックストリーム。不意の大物にも対応してくれるのでおすすめです。

取れなかった魚も多く、状況も厳しいままでしたが、最後にこの1匹に出会えただけで、この遠征は十分に夢のあるものになりました。

1週間の振り返り:渋い春の式根島で見えたもの

記録的な低水温に見舞われ、島全体が渋い1週間でした。本命の尾長メジナを獲れなかったどころか、3回も大物をバラすという悔しさも残りました。

それでも、この遠征で学んだことは多かったです。整理しておきます。

渋い時こそ深棚+際の強制沈め

表層や中層で反応がない時、底の深棚に魚は溜まっています。3Bや半誘導で落とすのが第一手ですが、それでも反応が薄ければ、000のウキで全誘導の強制沈めに切り替え。錘の違和感を嫌う活性低めの魚にはこれが効きます。今回の本石鯛も、この攻め方で獲れた1匹でした。

離島でも予備スプールは必須

遠投の本流釣りを想定してPEだけ持っていったのが今回の反省点です。状況によっては足元際を攻めるしかない展開もあるので、ナイロンのスプールも必ず持参すべきでした。離島は釣具屋がないわけではないですが、欲しいスペックの予備が手に入る保証はありません。

大物の前で油断しない

2回のバラしのうち、特に尾長グレと思われた3日目のロストは、完全に「イスズミだろう」と油断したのが原因でした。離島では何が掛かるかわかりません。浮かせた後も最後の最後まで気を抜かないこと、これを骨身に刻みました。

釣れなくても離島は最高

渋い1週間でしたが、自炊宿で釣った魚を捌いて食べ、温泉に浸かり、目の前で40kgのキハダマグロが上がるのを見て、最終日に本石鯛を獲る。釣果だけが釣りの全部じゃない、ということを改めて感じた遠征でした。

↓最終日の最後の晩餐。イシダイを釣り上げた達成感も相まって最高の美味しさだった。

式根島はまだまだリベンジしたいです。今度こそ尾長グレを獲りに行きます。

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