「隣のファミリーは入れ食い状態なのに、なぜか自分だけ全く釣れない…」 「周りと同じサビキ釣りをしているはずなのに、釣果に倍以上の差がついている…」
そんな悔しい経験をしたことはありませんか? 多くの初心者が「今日は運が悪かった」「魚が回ってこなかった」で片付けてしまいますが、厳しいことを言います。それが続くなら、原因は運ではありません。「戦略」が足りないのです。
サビキ釣りは、ただ仕掛けを落とすだけの単純な釣りではありません。 特に、本牧・大黒海づり施設のような連日多くの釣り人が訪れる激戦区では、魚もスレて(警戒して)おり、漫然と糸を垂らしているだけでは見向きもされません。
この記事では、脱初心者を目指すあなたのために、現場で釣果に差をつけるための「場所」「仕掛け」「タナ(深さ)」の3つの基本を徹底解説します。
【戦略1:場所選び】「潮通し神話」を疑え!釣り場ごとの安定の鉄板ポイントがある
釣り場に着いたら、まずどこに釣り座を構えますか? 多くの人は、潮通しが良くて広々と竿を出せる「外側(沖向き)」を選びがちです。確かに外側は回遊魚のルートになりやすく、爆発力があります。
しかし、大黒海づり施設に関して言えば、近年は「内側(陸向き)の中央~先端寄り」の方が、アジなどの釣果が安定している傾向にあります。また、多くの人が沖桟橋を真っ先に目指す本牧海づり施設においても「新護岸からのぶっこみサビキ」の方が好釣果なことが珍しくありません。 内側は潮が滞留してエサ(コマセ)が溜まりやすかったり、まずめ時には魚が捕食のために沖から回遊して中に入ってきたりするからです。
「外側じゃないと釣れない」という思い込み(潮通し神話)は捨てましょう。 もちろん、日によっては外側が良いこともあります。重要なのは決めつけず、「今、周りで釣れているのはどちら側か?」を観察し、柔軟に場所を選ぶことです。本牧・大黒海づり施設では釣果情報が連日公開されています。それを参考にしたり、受付の方に最近の傾向を聞いたりして決めるのが良いでしょう。
【戦略2:仕掛け選び】使い分けで状況を打開せよ
釣具屋に行くと無数のサビキ仕掛けが並んでいますが、どれも同じではありません。しっかりと選択することで釣果は確実に変わります。 針のサイズは、イワシから良型アジまで幅広く対応できる4号〜5号を基準に選ぶのがおすすめです。カタクチイワシは意外と口が大きいので、6号だろうが8号だろうが普通に掛かってきます。専門に狙うならともかく、アジと並行で狙うなら細かいことを気にする必要はありません。
普通のサビキは「色」で差がつく!アジ狙いなら「白」が好実績
最も一般的な、針に擬似餌(スキンやビニール)が付いたサビキ仕掛け。 ピンクスキンや、紫外線で光るケイムラなどが人気ですが、もし狙いが「アジ」なら、迷わず「白スキン」を選んでください。
白色は、東京湾の釣り場において圧倒的な実績があります。「隣のピンクスキンには見向きもしないのに、自分の白スキンだけ入れ食い」という状況は、グループ内でも良く遭遇します。
↑東京湾では圧倒的好実績のサビキ仕掛けです。
東京湾は濁りが強いから絶対ケイムラ!という声も根強いですが、だまされたと思って一度使ってみてください。イワシやサッパが入れ食いという状況ならともかく、アジ狙いなら白一強です。
↑ちなみに、イワシやサッパが好調でそれを専門に狙いに行く場合はこういうのが強いです。
盲点、カゴの使い分け
これは意外とスルーされがちですが、カゴは絶対に上カゴ(ロケット)カゴを使用してください。一般的なのは下かごですが、下カゴでは本牧・大黒海づり施設のような深い水深には対応できない(仕掛けを下ろしている最中にコマセが出て行ってしまう)のと、一度しゃくるとエサが一気に放出されてしまうので置き竿が不可能になり非常に不便です。
東京湾において下カゴを使っていいのは、「まずめ時だけの超短時間釣行」かつ「水深が7mより浅い釣り場」という条件の時だけです。
上カゴを使うことでコマセの放出量を調整でき、置き竿が可能になります。東京湾の釣り場では連日たくさんの人がコマセを撒いていてコマセは十分すぎるほど効いているので、大切なのは自分の仕掛けの周りから撒きエサが絶えないことです。サビキ釣りは「カゴから出たエサに紛れた擬似餌」を間違えて食わせる方法ですから、少量でもパラパラと撒き続けることが大切です。
繰り返しになりますが、そもそも魚を寄せるための撒き餌は周りの人が必死に撒いてくれているのです。
↑こういう安いロケットカゴで構いません。サビキ仕掛けを結ぶ前にこのカゴを結び、その下に仕掛けとおもりを連結します。
絶対に釣りたい時の最終兵器「トリックサビキ」
「せっかく来たんだから、何が何でも絶対に釣って帰りたい!」 そんな時の最終兵器が「トリックサビキ」です。
普通のサビキ釣りは「カゴから出たエサの煙幕に紛れた擬似餌」を間違えて食わせる方法です。しかし、魚の活性が低い時やスレている時は、擬似餌が見切られてしまうことがあります。
一方、トリックサビキは違います。 専用の仕掛けを使い、針そのものに本物のエサ(アミエビ)を直接こすりつけて海に投入します。魚からすれば「目の前に本物のエサがある」状態なので、疑うことなく食いついてきます。アジはもちろん、クロダイやカサゴなども食ってくる最強の仕掛けです。
↑トリックサビキもうんざりするくらいいろいろありますが、幅広く使った結果これが一番です。餌持ち、魚の針掛かりともに文句ありません。
必須アイテム「スピード餌付け器」の使い方と固定方法
トリックサビキには、針にエサを付けるための「スピード餌付け器」という専用の道具が必須です。これにアミエビのブロックを置き、溝に仕掛けを通すだけでエサ付けが完了します。
大黒海づり施設で使う場合の注意点として、設置されているパイプが太いため、固定が難しい場合があります。そんな時は、コンビニで売っている太めのヘアゴムや輪ゴムでパイプに縛り付けるのが良いでしょう。ヘアゴムを二本連結し、餌付け器の両端の突起にひっかけてパイプをまたぎ固定します。
釣果が安定するトリックサビキですが、この餌付け器がないと始まりません。必ずセットで準備しておきましょう。
足元で釣る場合はトリックサビキ+先ほど説明した上カゴでの置き竿がもっとも効率よく釣果を出せます。
良い型狙いならこれ「ぶっこみサビキ」
足元のサビキ釣りに慣れてきたら、次は少し沖を探ってみましょう。 おすすめは、普通のサビキ仕掛けの下に重いオモリを付け、軽く投げて底に沈める「ぶっこみサビキ」です。
特に大黒海釣り施設ではこれが根強い人気があり、良型のアジを狙いたい方には強くお勧めします。
足元には小アジやイワシのみの回遊しかなかった日も、ぶっこみサビキであればかなり高い確率で良型のアジが狙えます。
足元には小さな魚が多いですが、少し沖の海底付近には、良型のアジが回遊している可能性が高いです。市販の「ぶっこみサビキセット」も売られているので、初めてはこれからチャレンジしてみるのもよいでしょう。
↑市販のぶっこみサビキセット。もちろんこれでも十分釣れることは実際に実釣検証済みです。
これ以上の釣果を追求するなら、「ぶっこみ用カゴ」+「先ほど紹介した白スキンサビキ」を組み合わせるのが最強です。
↑こういったカゴ単体の商品を買い、先ほど紹介したサビキ類の上に連結して使います。そこまで高くない上、一つ持っておけば、足元サビキの上カゴとぶっこみサビキで兼用できるためおすすめです。なお、投げる関係でサビキの幹糸はある程度の太さが必要なため、ぶっこみサビキに使うサビキは6号以上のものか投げサビキ用のものを選ぶとよいでしょう。
釣り方制限などの混雑時に投げる際は、必ず周囲を確認し、下からふわっと投げるアンダースローを徹底するなど、施設のルールに従ってください。
また、潮に負けて流されるとおまつりの連発などトラブルの原因となるため、十分な重さのあるおもりを使用しましょう。(最低15号)
↑釣具屋で買うとおもりのばら売りがなく、高値で大量に買わざるを得ない場合があるので、ネット通販を活用するのも良いでしょう。
ウキ投げサビキはNG?ネットの情報に流されるな
ネットでサビキ釣りを調べると、ウキを付けて遠くに投げる「ウキ投げサビキ」が推奨されていることがあります。確かに広い場所では有効ですが、混雑する東京湾の釣り場(特に大黒や本牧、若洲)ではおすすめしません。
潮の流れでウキが流され、隣の人の仕掛けと絡まる「オマツリ」のリスクが非常に高いからです。頻繁に回収する必要があり、釣りになりません。また、ウキ下の長さ調整(タナ取り)も難しく、トラブルの原因になります。初心者のうちは避けるのが賢明です。
【戦略3:タナ(深さ)】釣果はこれで決まる!
これも重要です。どんなに良い場所で、最高の仕掛けを使っても、魚が泳いでいる深さ、つまり「タナ」にエサが届いていなければ、釣れません。細かなタナ調整が釣果に直結することは珍しくありません。
基本は「底」だが、盲信するな!
アジ狙いの基本は「底(ボトム)」です。まずは仕掛けを海底まで落とし、糸がフケた(たるんだ)のを確認してから、リールを2〜3回巻いて底を少し切った位置を狙うのがセオリーです。
しかし、これを盲信してはいけません。魚の活性が高い時や、小アジ・イワシの群れが入ってきている時は、中層や表層(海面近く)で入れ食いになることもあります。「底で釣れないなら、少しずつタナを上げてみる」という柔軟な対応が必要です。
具体的なタナ探りの手順
では、どうやってタナを探るのか? 具体的な手順を紹介します。
- まず、仕掛けを完全に底まで落とす。(糸の放出が止まる)
- リールを2回巻き、竿を軽くしゃくってエサを撒き、しばらく待つ。(アタリがなければ次へ)
- 次の投入時はリールを4回巻き、同じようにしゃくって待つ。
これを繰り返し、アタリがあった深さを覚えておきます(例:「底からリール6巻き分」など)。次からは、その深さに直接仕掛けを投入すれば、効率よく釣れ続けます。
複数人で来ているなら、「自分は底」「友人は中層」といった具合に、手分けしてタナを探り情報を共有するのが、釣果への近道です。
とはいえ、ぶっこみサビキという釣り方が人気なことからもわかるように、良型のアジは基本的に底付近を回遊します。
複数の竿を出す場合、一本は底固定にしておくのが良いでしょう。
さらなる釣果アップへ!現場で差がつく実践テクニック
最後に、現場で周りと差をつけるためのちょっとしたコツを紹介します。
竿は「長め(磯竿5m前後)」が有利な理由
短いルアーロッドを使っている人をよく見かけますが、サビキ釣りにおいては「長い竿」が圧倒的に有利です。
具体的には、長さ4.5m〜5.3m程度の「磯竿(2号〜3号)」がおすすめです。 長い竿を使うと、仕掛けを足元から離れた場所に落とせるため、魚へのプレッシャー(人影など)が少なくなります。また、隣の人と距離が取れるため、オマツリのリスクも減ります。
足元でのサビキだけなら磯竿2号、ぶっこみサビキや泳がせ釣りを兼用するなら磯竿3~4号を購入することをお勧めします。
↑いわずと知れたコスパ最強メーカープロマリンの堤防用磯竿。最初の一本にはもってこいです。
↑低価格・高品質の決定版。ダイワのエントリーモデルで、3号はなんでもこなせる万能番手です。
大黒海づり施設の「置き竿」注意点
アタリを待つ間、竿を柵に立てかけておきたいですよね。 しかし、大黒海づり施設のパイプは径が非常に太いため、釣具屋でよく売られている一般的な竿受け(「スーパーパイプ受太郎」など)は取り付けられません。
常連さんはホームセンター等の材料で自作改造して使っていたりしますが、正直とてもハードルが高いと思います。大黒海づり施設のパイプでも使える竿受けがあるのでそちらを使用しましょう。
↑それがこちらです。
当然ほかの釣り場のパイプ等にも使えるので、汎用性は高いです。第一精工のものと比べると作りがやや不安という声もありますが、今までさんざんクロダイの突っ込みにも耐えてくれているので、しっかり取り付けて正しく使えば心配ありません。
大黒海づり施設に関しては、おすすめ釣り座から釣果の出し方まで、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひそちらもご一読ください。
まとめ
サビキ釣りは、初心者向けの簡単な釣りだと思われがちですが、実は非常に奥が深い釣りです。
- 場所:最近の釣果状況を踏まえ、柔軟に見極める。
- 仕掛け:白スキンやトリックサビキを使い分ける。
- タナ:底を基本にしつつ、アタリのある深さを常に探る。
この3つの戦略を意識するだけで、釣果は劇的に変わるはずです。もう「運任せの釣り」からは卒業して、狙って釣る楽しさを味わってください。
次回は、サビキ仕掛けにも食ってくることがある、さらなる大物ターゲット(クロダイ・コショウダイなど)の攻略法を解説しようと思っています。



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